2011/03/15

2011


 震災の影響で3月中のJリーグ全試合が中止になった。しばらくは混乱と不安の中でサッカーどころでは無いという日が続くのかも知れない。本当に大変な状況ではあるが、サッカーファンが再びJリーグに熱中できる様な日常に、早く戻れる事を心から祈っている。苦境や困難に立ち向かう時、人と人と心のつながりやコミュニテイの結びつきの強さは、目に見える、そして見えない力となって必ず厳しい立場の人々の助けになれるはずだ。サッカーファンの輪の中心に存在するサッカークラブが、震災で苦しい思いをしている多くの人々を助ける動きの中心になれると信じている。

 現在、アメリカサッカー協会の承認と労働許可の承認待ちではあるが、今シーズンをアメリカ独立リーグ(USL)のリッチモンドでプレーする事が決まった。これまで日本から南米、ヨーロッパと渡り、その後6シーズン余りを再び日本でプレーしてきたが、このタイミングでまた知らない土地でプレー出来るチャンスを大切に思う。そして、今回の移籍に直接・間接的に関わってくれた全ての人に深く感謝したい。

 南米のやヨーロッパの国々のサッカーのシステムは、それぞれ独特で特徴があり不規則で歪な形に見える。しかし、現実にはお金や選手の動きが動脈となって、まるで根幹には同じ価値観を持ってるかのように、それぞれが上手く輪郭を溶かし合い、大きなフットボールパズルの1ピースとしてピタリとはまっていく。理不尽ささえも魅力的に魅せてしまうサッカーは、人々の人生に深く染みていた。

 そんな南米やヨーロッパの良い部分を取り入れて急速に発展してきた日本のサッカーは、これからもこれまでと同じように、パズルにはハマらない形を目指していくだろう。今回移籍の決まったアメリカのサッカーも、外から見た限りでは日本と同じように独立したピースなのかもしれない。2022年のワールドカップ誘致では、新興の1ピースであるカタールとロシアに同じように敗れた2つのサッカー。そんなスタンスは似ていても未知なアメリカで、今シーズンはプレーする。