2007/12/04

96試合


 普通の仕事だったら、7回もの連続した失敗は致命的だろう。しかし、サッカー選手には、どんな状況でもピッチに立った時点で、自分で未来を切り開くチャンスがある。7連敗してなおアウェーまで駆けつけてくれたサポーターに声援を送られながら、そんな気持ちで京都とのキックオフを迎えた。その日は30歳の誕生日だったから良く覚えている。

 「ヴェルディのサポーターは、まだまだ数が少ない」という話が出る事がある。数は地道に増やせば良い。数は比例してきっとチームを強くする。しかし、それよりも7連敗をしても昇格を信じてアウェー各地まで来てくれた人たちがいた事を、クラブは大きな財産として欲しい。苦しい時にスタンドで、クラブの中で、ピッチでとそれぞれが経験した事は、昇格が決まった瞬間に報われて、次のステップへの土台になるのだと思う。

 2年間、100試合近くもの間、ヴェルディをJ1に上げるためにずっと支えてくれていたサポーターの皆に感謝したい。
本当にありがとう。

2007/08/03

チームカラー


 今シーズンは、練習から緑のユニフォームを背負ってプレーをしている。サッカークラブとそのファンにとって、チームカラーはお互いを結ぶ絆だ。長い年月で選手や監督が移り変わっても、クラブの存在と共にチームを象徴し続け、ファンの心に染み込んで行く。ヴェルディの緑色は、日本の他のどのクラブにも譲らない歴史と責任を含んでいる。

 ポルトガルでプレーしていた頃、FCポルトが既に優勝を決めていた最終節で、選手や監督が顔も髪もチームカラーの青と白で派手にペインティングしてプレーしていた事を忘れられない。もともとブルー一色だった旧ドラゴンスタジアムは敵チームのユニフォームを除いて、青と白の2色に完全に染まっていた。

 今シーズンも残り19試合。味スタでのホーム最終節を前に優勝を決める事を目標に、ピッチを上げて行きたい。


 今年もプロジェクト・エスペランサの活動として、第2弾のTシャツ販売を行います。
 前回のTシャツのデザインを元に、バックスタイルをよりシンプルにして、カラーバリエーションを増やしましたので、より着易くなったのではと思っています。
 PROYECTO ESPERANZA
 プロジェクト・エスペランサの南米の子供達へのチャリティー活動に、ご協力をよろしくお願いします。

2007/01/18

2007


 何年ぶりかにオフをゆっくりと過ごした。家族揃って年を超せたのはいつ以来であろうか。地元の友人と初蹴りをしたり、親戚を尋ねてのんびりと過ごしたり、試合で訪れた事はあっても探索した事の無い土地を訪ねたりした。

 2年振りにフランスにも行く事が出来た。クリスマスを跨いで訪れたため、毎晩友人達の家族のパーティーを渡り歩き、夜中までゆっくりと近況報告やサッカー談義をする事が出来た。飾る事無く、互いの空白の月日を感じさせない彼らの友情に感謝したい。

 南米に渡った当時、貧しく不公平の中を生きる人々が、何も飾らずに自分に接してくれた事が忘れられない。それまで不自由なく暮らしていた日本で、自分が如何に本質から離れた事に神経を使っていたかに気付いた。そして以来、自分とサッカーとの距離も初めて出会った頃のように近づいた。

 飾らない人々に囲まれて時を過ごし、そして自分本来のニュートラルな位置を確認する。近くスタートする新シーズンに向けて、十分な休養をとり、心身ともに充電する事が出来た。

 写真は、シャルル・ド・ゴール空港から電車に乗り、地下鉄の到着駅からの長い階段を登り切って初めて見たパリの景色。あまりに美しい夕焼けに旅の疲れも吹き飛んだ。