2003/08/04

開幕


 欧州の他の多くのリーグに先駆けてフランスリーグは開幕。ワールドカップでも使われたホームスタジアム「ラ・モッソン」でレンヌを迎えたモンペリエの開幕戦に後半開始から出場した。

 未だ見知らぬはずの自分に対し、モンペリエのサポーターは巨大な日の丸フラッグと大声援で迎えてくれた。それは本当に嬉く、そして有難かった。

 ポルトガルに戻りエストリルでキャンプをスタートしてから約1ヶ月。準備期間としては少し短く、新チームと過ごした時間も十分ではなかったかもしれない。しかし思った以上に体は動いた。このスタートまで来る間、自分を支え協力してくれていた仲間とスタッフに感謝したい。

 リーグは全20チーム、38試合続く。

2003/07/28

モンペリエ


 モンペリヘの街にやって来て1週間が過ぎた。メディカルチェック、契約や記者会見、それに練習や練習試合と多忙な1週間を過ごしたが、漸く少し落ち着いた気がする。ホテル暮らしである事や車がまだ無い事など多少の不自由はあるが、エストリルプライアとのキャンプを終えた直後にモンペリエに合流したのでコンディションは悪くない。開幕までのあと一週間でチームに出来るだけ溶け込み、万全の状態で開幕に望みたい。幸いチームにはスペイン語とポルトガル語を理解する選手がそれぞれ1人ずつだがいるので、助けてもらいながらコミュニケーションはとれそうである。

 街の中心地区のホテルに滞在し練習に通っているのだが合間に散歩に出かけると、広場はバカンスを楽しむ観光客や学生など様々な人で溢れている。油絵のように印象的なパラグアイの街並とも水彩画のような落ち着いたポルトガルの街並とも違うが、華やかで活気のあるこのモンペリエの街をとても気に入った。

2003/07/13

背番号


 7月に入ってからポルトガル2部リーグの「エストリル・プライア」というチームで練習している。8日からは200キロほど北へ移動して約2週間のキャンプに入った。

 そのキャンプ3日目。2部練習を終えて夕食を食べた後、初めてミーティングが開かれた。チームの副会長や役員が何人かこのキャンプ地まで顔を出してチームの決め事や予定等を話した後、行われたのはなんと選手の背番号決め。昨年からの番号を引き続けたい選手は優先権があるがそれ以外の番号は挙手制。

同じ番号に選手がかぶるとそこで10ユーロスタートの「せり」が始まりその番号が欲しい選手同士で値を上げていく。一番高い値をつけた選手がその背番号をつける権利を得るというシステムだ。
収益金はもちろん選手会主催の昼食会等に使われるという。

 シーズン前のキャンプなのでとにかくフィジカル練習が多くきついがコンディションは確実に良くなっている。

2003/07/02

カスカイス


 2週間の休暇を日本で過ごした後、またポルトガルへ帰ってきた。1年間過ごしたブラガの部屋の荷物を整理して車でリスボンへ。次のチームが決まるまでこのリスボン近郊のカスカイスの街で過ごすことになった。

 今回日本に帰る直前にポルトガルを旅行して回っていたのだが、その時にもこの街に滞在してとても気に入っていたのでまたここに来る事が出来てうれしく思う。なだらかな斜面のある丘にピンクと白のマンション郡が建ち並ぶこの街には美しい海岸線やリゾート施設もある。その海岸沿いにはポルトガルリーグ2部に所属するクラブもあり今回はしばらくそのチームで練習に参加させてもらい体を動かす予定だ。

 日本では毎日のように知人に会ったり美味しい物を食べたりしていたので休養もばっちりである。ポルトガルはこの時期午後10時くらいまで陽が照っているので1日がすごくゆっくり流れていく。次のチームが決まるまではここでしっかりと準備して体を作って行きたい。

2003/04/09

新スタジアム


 先日、午前中の練習を終えた後にスタッフと選手、そして会長を含むクラブ関係者皆でブラガの新スタジアムを訪れてきた。来年のEURO2004にむけて現在はまだ建設の途中なので、ヘルメットをかぶって工事現場を見て回っただけなのだがそれでも規模や皆の期待の大きさが良くわかった。山に埋め込むようにして出来ると言う。メインとバックスタンドだけでゴール裏の無いスタジアムなのだが、素晴らしいスタジアムになるだろう。

 リーグ戦も終盤戦に向かっているが、未だなかなかチャンスがもらえない状況だ。チームは中位につけているものの下位から中位までに殆どポイント差が無いため、降格圏からできるだけ早く遠ざかる事がチームの現状である。安定した戦いが出来ていないチームの中でいつチャンスが来ても良いように準備するしかない。

2003/02/12

セール

 2月に入ってからは晴天が続いている。3ヶ月続いた雨の季節が終わったのかは疑わしいけれど、とにかく嬉しい。洗濯もはかどる。何よりも練習が楽しい。芝生の養生のためにひどい時は週に5日も郊外のグラウンドへ練習に行っていたが最近は毎日スタジアムで練習できる。晴れて悪い事はひとつも無い。 雨が降っていた時は人気が無かったこの街にも、晴天とバーゲンセールの開始とともに人々に活気が感じられるようになった。

 ここの所試合から離れてしまっているが、次のチャンスを得るために日々前向きに練習に取り組んでいる。自分のコンディションは昨年末に比べたらだいぶ良いし、チームの試合内容も良くなってきている。チャンスを得れば今まで以上のプレーを出来ると思うし、しなければならない。

 今年に入り知人が立て続けに訪れてくれて、大変励ましになった。

2003/01/12

年明け

 年が明けた。

 思えば昨年は思いがけずであったが様々なグラウンドで色々な仲間とボールを蹴っていた。選手のキャリアとしてカウントされ積み重ねられるものはその内少しだったかもしれない。だが様々な環境、状況の中で常にサッカーをプレーし続ける事で得た事、感じた事は少なくなかった。プレー以外の面で言えばノーマルなシーズンを送るよりもずっと多くの事を経験した。怪我を含めていい事も悪い事もあったが今こうして自分に活躍するチャンスがある事を、ここまで支えてくれてきた多くの人々に改めて感謝したい。

 8月に始まったリーグ戦は現在折り返し地点を迎えている。怪我で出遅れた事もありここまではあっと言う間だったが、日々最善を尽くしていきたい。

 ここ数日、晴れ間が除く時間も多いのだが気温は急に下がってきている。日本よりはまだ暖かいという事だがそれでも自分には耐え難い寒さが続いている。